TIMB’S FAM|SHOTA NAKAHACHI

2024/07/17 TIMB'S FAM

神奈川・横浜の天王町にある花屋『The Bulb Book』を母とともに営むフローリスト 中鉢祥太。

普段は店頭に立ちながらも、
ファッション好きであれば一度は目にしたことがあろう、名だたるブランドのルックや店内ディスプレイの装花も手掛けている。
最近では、『ビームス メン 渋谷』にてBEAMS別注モデルとなる7eye Classic Lugのディスプレイ装飾も担当するなど、活動の幅を広げている。

「母の想い」が込められた店内

中鉢氏の活動拠点である『The Bulb Book』。
白を基調とした店内には、鮮やかな花々とウッド調の家具たちが並ぶ。
ユーローハイカーを履く彼の柔らかな雰囲気にピッタリなこの店は、オーナーである母のさまざまな想いが反映されているという。

「“The Bulb Book”というのは日本語で“球根図鑑”。
母は球根の花が好きで、店の入り口に飾ってある海外の球根図鑑の名前が店名の由来なんです。
なので、この店では球根のお花や鉢を多く取り扱っています」。

球根以外に取り扱っている花も、母の趣味がメインだと話してくれた。

「好きな花しか仕入れない、というのは意識してやっているかもしれないですね。
大体の花屋さんにあるような、バラやかすみ草などの定番のものは滅多に仕入れません。もちろん、人気もあるし売れるんですが、
それよりもチューリップや睡蓮、ラナンキュラスといった僕たちの“好きでかわいい”花を取り扱っています」。

また、この店には、花を保存しておくための冷蔵庫を置いていない。
「効率は良くないけれど、うちでは市場から入った花の水揚げを手間暇かけてやることで、なるべく持つようにしています。
花が長持ちするような薬は使わずに、気温の高い夏の間は生ける水に少しだけハイターを加える
といったクラシックなやり方を採用するなど、こだわっていますね」。

フローリストになったきっかけ

元々は母が1人で運営していた『The Bulb Book』。
「ときどき、母の花屋を忙しい時期だけ手伝ったりしていたので、大変だそうだなっていうのはずっと思っていて」。

これまで長らくアパレル業界に身を置いていたという彼は、
ある人が何気なく声を掛けてくれたことをきっかけに花屋の仕事に携わるようになる。
「あるとき、アパレル関係の先輩から“中鉢のところ、植物あるの?”と聞かれて。今でこそ、アパレルショップで花を売るのも
違和感はないけど、その頃はそういった組み合わせをする店やブランドはほとんどなくて。先輩からそう聞かれて、
初めて花や植物ってイケてるかもなと思いだしたんです。
そこから花関係の仕事をしたいと思い、当時やっていたアパレル関係の仕事を辞めました。僕が29歳くらいのときですね」。

そうして『The Bulb Book』を本格的に手伝うようになって半年経った頃、
母を通してディスプレイや庭の装飾の仕事を中心に活動するフローリストと出会う。
「ちょうどその人が人手がほしいと言っていたので、そういう機会があるならと思い半年間お手伝いすることになったんです。
そこで仕事の進め方や、どのように草花を飾るのかなどを教えてもらいました」。

そんな彼の行動力もあってか、
大きいアパレルブランドの店舗に常設して生ける花の仕入れや、知り合いのブランドの合同展示会に置くインスタレーション、
老舗クラブである『BAYSIDE YOKOHAMA』が閉館するタイミングでのステージ装飾を担当したりと、
立て続けにに大きな仕事が舞い込んできたという。

「草花の装飾って、あわせるアイテムや企画のタイミングにばっちりハマらないと必要のないものになるし、
そういった依頼も本来はコンスタントにあることではないと思っていて。
なので、ここまで任せてもらうようになったことも、運みたいなところはありますね。
最近は、少しずつファッション関連の依頼も増えていて。これからは、型にハマらずちょっとずつはみ出していきたいです」。

店舗情報

The Bulb Book

〒240-0003 横浜市保土ヶ谷区天王町1丁目9-2

Tel:
045-341-5229
Instagram:
@the_bulb_book
Online Store:
inapot

SHOTA NAKAHACHI

Instagram:
@nk8st

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